このホームページについて

私の願い

どうして日本では年齢を重ねると、
歯を失い入れ歯を使うことが、
当たり前になっているんだろう?

このホームページを作るにあたって

私は歯科大学を卒業して以来、一貫して天然の歯を守ること専門にしてきました。大学病院で毎日たくさんの患者さんと向き合いながら、こう思っていました。

「歯周病というのは症状は出にくいが、一旦発症すると人生の質を低下させてしまう、実は深刻な病気である」、と。

97年にスウェーデンに渡欧してからもその思いは変わりませんでしたが、それと同時に日本を離れたおかげで、日本独特の奇妙な現象に気付きました。

それは日本では、
“年齢が上がると入れ歯になる”
という常識が、患者さんばかりでなく歯科医師にも蔓延していたからです。

私が診療していたスウェーデンのクリニックは、重症の歯周病の患者さんが、おもに紹介でお越しになります。

私が担当した100人以上の中高年の患者さんの中で、入れ歯の方はたったお一人でした。

その患者さんも生粋のスウェーデン人ではなく、東欧からの移民の患者さんでした。

日本では毎日のように、入れ歯の患者さんにお会いするのに、スウェーデンでは入れ歯は過去の治療法として扱われていました。

この違いはなぜでしょう?

それは、スウェーデンでは歯周病も虫歯も予防方法が、国民レベルにまで浸透して、確立していたからです。

歯周病は患者さんによって軽症であったり、重症であったりイロイロですが、今や国民の80%に蔓延していると言われています。

患者さんたちが変わってきた!

日本に帰国当初は患者さんの状態に関して改めて驚きの連続でした。

スウェーデンでも珍らしくなった、とても重症な患者さんもたくさんお越しになりました。

日本で北欧式の
“時間は掛かるが確実に治癒に向かう”
方法が受け入れられるか?当初はとても不安でしたが、私の危惧に過ぎなかったようです。

現在、大野歯科医院の常連の患者さんにとって「歯を失う」という悪夢は、もう大昔の心配になりつつあります。

前橋に赴任以来、本当に私の患者さん達は努力をされ、がんばってくださいました。担当医として誇りに思います。

しかし現在でも、初診の患者さんはいろいろ問題を抱えて来院されます。
「一度治した歯から悪くなる・・・・そう思うけれど、それが何故かは分らないまま治療を受け続ける」
そういう方がとても多いと思います。

週刊誌へ連載

2006年に、「週刊金曜日」という雑誌におよそ1年余り、患者さんの役に立つであろう情報を、科学データを提示しながら、コラム形式で連載をするとても貴重な経験をしました。

市井の開業歯科医が全国規模の雑誌で、こんなにも長期に連載コラムを持たせていただくというのは、前代未聞であったと思います。

一般の読者の方向けに書いたつもりでしたが、連載終了後も多くの歯科関係の方から感想や、見ず知らずの患者さんから問い合わせを頂いたり、とても思い出の深いものでありました。

その連載は私の意向―病院を宣伝して集客や患者誘導にはしたくなかったため、あえて連絡先を掲載しませんでした。

しかし実際には私の名前だけを頼りに、わざわざ調べて遠方から来院された患者さんもいらっしゃいました。

調べるだけでもパワーやエネルギーがいるはずですが、それほど口の中の悩みが深刻な方が実際にいらっしゃることを実感しました。

溢れる歯科医院情報

そんな時、私の先輩からこう励まされました。
「正しい情報を持っている人が、きちんと情報を発信しないと、歯科全体の信用にかかわるよ」

私が「正しい」かどうかは分りませんが、歯科医師になって以来「歯を守る」ということに関して、素晴らしい恩師と教育システムと、そして患者さんに恵まれたことは確かです。

患者さんのジレンマ

例えば小さな虫歯一つでも、その対処法には様々な方法があります。ある歯科医院では“治療する”と言われたのに、別の歯科医院では“様子を見ましょう”と言われた経験はありませんか?

プロによる異なるコメントのどちらが正しいか、を判断することは患者さんには不可能です。

歯科医学のみならず、医療というのはまだまだ未熟です。というよりは、「人間の体はいまだ神秘の謎だらけ」なのです。

しかし、「病気」という問題は目の前の現実です。
皆さんはそれぞれ信頼する歯科医師を選び、話をし、決断をしなければなりません。

このホームページの内容

このホームページにリンクしているブログでは歯科に関するたくさんの事柄を扱って、訪れていただいた方の知識の向上を願って、また現在受けられている治療を理解するための参考になるように作ったつもりです。

したがって、万が一皆さんが受けていた説明がこの内容と異なる場合は、是非担当の歯科医師に聞いてみてください。ひょっとしたら、同じことを違う表現で言っているだけかもしれません。

「納得できる医療」―私の願いでもあります。
このホームページが皆さんの治療を担う歯科医師たちとの、コミュニケーションのツールになることをお祈りしております。

コンセプトメニュー