歯周病コラム
歯周病を薬で治そうとする治療法は、ずいぶん昔からアメリカ、欧州で試みられてきました。
結論から申しますと、効果はないわけではないが、今までのように汚れを手で落とすほうが、遥かに効果的で、能率的、という結論になっています。あくまで補助的なものです。
私も薬を出すときがありますが、それは「痛み」や「腫れ」などの症状を和らげる必要があるときです。
「薬だけで歯周病は治せる」という宣伝文句は、歯周病で苦労されている患者さんにはとても魅力的に聞こえ、それを集客の文句にしばしば使われることがあります。
薬をメインに歯周病を治療しようとしている歯科医師は、私の患者には十分効果があると主張していますが、なにをもって「治った」というレベルで、我々と大きな隔たりがあります。
「症状を緩和する」というゴールならば、薬だけでもそこそこは達成可能ですが、「再発のリスクを減らす」までですと、これまでの世界中の研究結果を見ると、とても診療室で使うほどの効果はありません。
やはり地道な歯の手入れと、プロフェッショナルによる歯の周りの掃除がいまだにもっとも効果的で、患者さんにデメリットは少なく、そして安価だと思います。