歯周病コラム
歯周病は的確な治療を行えば、多くは回復へ向かいます。なので、その後の再発はもちろん気をつけるべきですが、もう一つ意外な敵が待ち伏せしています。
それは・・・・・・「虫歯」。
歯周病の患者さんにとっては「古くて懐かしい敵」でしょう。
歯周病治療後の虫歯は、多くの老人の歯が残っている標準的なスウェーデン人の研究では、10年間の間に、およそ90%人に虫歯が発生しています。理由はいろいろあるのですが、歯周病の次は虫歯の予防がとても大きなテーマです。
スウェーデンの大学院生時代に、百戦錬磨のベテラン教官たちが、「歯周病が治ったあとの、虫歯予防はやっかいだ」、と口を揃えて言っていた事を思い出します。
日本ではまだ大きな問題になっていません。というのも、多くの方が高齢になると歯を失って(または抜歯されて)いるからです。虫歯は歯にしか出来ません。
しかし、大野歯科医院にお越しの患者さんは(とても喜ばしいのですが)、歯を残すということにとても熱心です。
歯周病と違い、虫歯というのは生活習慣が大きな比重を占めており、私たちの技術だけでは不十分です。いかに患者さんに理解してもらい、予防行動を日々の生活に取り入れてもらうか?常々考えているところです。
(週刊金曜日2006 大野純一著「歯生活を楽しくする歯科講座」より一部改変)