小さな診療室

明治の時代から一貫して守ってきたこと

大野歯科医院は明治5年に私の曽祖父が前橋の地に開業しました。

その間、4代の歯科医師が、一貫して守ってきたことがあります。
それは「大規模な医院にしない」ということです。

歯科医師になり立ての頃の思い出です。
大学病院の無給の医局員だった私は、休日や空いている時間を見つけては、日本を代表する歯科医師たちのもとを足繁く通い、実際の治療を見せていただいていました。

歯科の世界で本物の名人は、学びに来た後輩たちにその技術や考え方を惜しげもなく公開し、伝授するという伝統が当時はまだ残っていましたし、今でも残っていると思います。
日本の歯科界のいいところの一つです。

そんな時代に私が出会った先生たちの多くは、引退されたり、代替わりされたりしましたが、皆、ほぼ例外なく小規模な開業医として患者さんの診療や予防にあたられていました。これは海外でも同じです。その理由はこうだと思います。

それは病院の規模が大きくなると、病院の管理が本当に大変になります。いろいろな面で歯科医師の目が行き届かなくなり、治療の質が劣ることを恐れているからです。

ある水準以上の歯科の診療というものは、大まかな原則は存在しますが、大量生産・オートメーション化がしずらく、マニュアルが作成できない仕事なので、患者さんごとに治療や予防が異なる、究極のオーダーメードの世界なのです。

そのためには
“診療室の隅々まで目が届く範囲”
である必要があるのです。

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